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「お父さんは許しません!」(ありがち) 「遠藤さん…」
心の中でそう毒づきながらも、もう一人の自分はやはりうれしくて仕方がない遠藤である。 女…か。 カイジはまだ若い。そういう存在ができてもおかしくはないだろう…男同士の不毛な関係という自覚のある遠藤は、いずれその日が来ることも覚悟はできていた。カイジはフェイドアウトするより、けじめをつけようとするタイプの男だから、この展開も充分ありだろう。 本当にいい娘なら、祝福できるけどな。 なにぶん、騙されやすい男である。 「その…会って欲しい人がいるんだけど…」 言いにくそうなカイジの背後で、もじもじと後ろを向いていた若い女が、初めて振り返った。 「坂崎美心です。はじめまして…その、お父様?…カイジ君とお付き合いさせていただいてます」 「は?」 遠藤の脳内回線が断線した。いきなり「お父様」呼ばわりもさることながら、よく知ってる顔をほんの少し女の子らしくした顔が『カイジとお付き合い』? つーか、こいつ誰?…ってそういえば、あのオヤジに娘がいたなぁ…なにもそんなに似なくても…ってのが…コレか? 「ダメだ」 回線復旧後、即効ダメ出し。 「そんな…なぜです?お父様」 食い下がる美心。 「オヤジじゃねぇっ!つーかカイジ、お前、俺に夜な夜なお前の上にあのくそオヤジが乗るのを想像して悶々としてろって言うのかっ!よりによってあのオヤジと同じ顔なんぞ、絶対認めんっ!」 (↑『沼』のとき、カイジとのデートの邪魔はされるわ、カイジと一緒に地獄堕ちを邪魔されるわ、本気で邪魔だったので、実は坂崎がものすごく嫌い) 「そんな…人を見た目で判断するなよ。かわいそうだろ?」 (↑あんまり美心がしつこいので、遠藤に切ってもらおうとしたが、普段自分で思ってることでも、いざ人に言われると、つい庇ってしまう性質) 「お父様、ひどい…でも、そんなお父様から私を庇ってくれるカイジ君…ス・テ・キ」 (↑自分の見たいことしか見ないので、なにげにカイジにひどいことを言われていることはおろか、男同士の不毛な痴話ゲンカが展開されていることにまったく気づいていない。すごく長生きするタイプか、自分の気づかぬうちに人の恨みを買って刺されるタイプ) おまけ 強欲社長と地雷ゲームでなんとなく通じるものができてしまったらしいカイジ…だが、その気はまったくないのに言い寄られ、困ってまた遠藤の元へ… 「却下」 「な…なんざんすか、いったい」 「『怪物くん』のドラキュラでもないくせに、『ざんす』とかいうやつは、ともかく認めんっ!…つーか、カイジ、お前もう少しいろいろ学べよ、おい」 |